動画配信できるツールが、最適な配信ツールであるわけではない

視聴不明、再生が不安定
社外秘の動画コンテンツを、社員に限定して公開したい。その際、配信方法として最初に思い浮かぶのが、会社指定のグループウェア、コミュニケーションツールでしょう。
既に利用していて、セキュリティも担保されているため、これらのツールに備え付けの機能を使い動画をアップロードしている会社も多いでしょう。確かに、使い慣れたツールで手軽に使えるのは便利ですが、一方で以下のような不便も予測できます。
  1. 動画再生が不安定。再生まで時間がかかる。視聴中に動画が止まる。
  2. 動画の再生数や、視聴時間が不明。
せっかく情報共有のために手間暇かけて制作した動画が、視聴するのにストレスがかかる、そもそも視聴されているかわからない
動画を制作するのは、社内で何かを共有したいという目的があるわけですが、「公開・配信」に配慮しないツールを使うと、単に公開するだけに留まってしまい、本来の目的に到達しないケースが往々にしてあります。これらの課題を解決するため、まずは問題点を考えてみましょう。

「動画=容量が大きい」を念頭に最適なツールを選ぶ

情報システム部 重いファイル配信できないよ

原因はネットの速度?それとも動画ファイルの容量?

動画の再生まで時間がかかる最大の理由は、アップロードした動画ファイルをそのままのサイズで端末が読み込もうとするためです。且つ近年は撮影デバイスの高画質化に伴い、1ファイルあたりの動画容量がますます増える傾向にあるため、今後もこの問題を解消するには時間がかかると想定されます。
企業の場合、契約したネットワークの帯域を大人数で分けあって利用しているため、1つの端末で専有されないよう、制限が設けられています。当然ネットワークの契約容量を増やせば解決できますが、そのためにはコストもかかるため、すぐに検討できる解決策ではありません。
再生のデータ取得に関しても、本来動画配信を主目的としたツールではないため、解析機能は備わってないツールが一般的です。これは動画を視聴するためのものではなく、動画を送信・共有するための機能であるためです。

課題解決の一番の近道は、配信専用のツールを活用すること

配信専用ツールの活用

動画配信に特化した専用のCMSを導入する

これらの解決策として、動画配信用のCMS (コンテンツ・マネジメント・システム) を利用するという手段があります。このサービスは、元データとは別に配信用の動画データを生成し、配信用のサーバーから、動画の配信プレーヤー、テキスト情報などを管理できるアプリケーションです。

大元の1つの動画から容量の異なる複数のデータを生成して配信

ポイントとなるのは、配信用の動画データを生成するというところ。ここでは詳細な説明は割愛しますが、配信用の動画ファイル生成時に、1つの動画から容量の異なる複数のファイルを作成します。そしてユーザーが動画にアクセスした際に、ユーザーがアクセスしているネットワークの速度を測定します。その速度に応じて、停止することなく最もスムーズに動画再生できるファイル容量を瞬時に自動判別し配信されます。
また視聴中にネットワークの速度に変化があった場合にも、再生途中でそのファイルを切り替えて配信されます。YouTube の「Auto」機能と同じです。1動画から生成できるファイル数は、サービスによって異なりますので、各サービスベンダーまで個別でお問い合わせください。

動画の視聴解析機能を標準装備

動画の視聴データに関しても、配信するプラットフォームの管理画面で確認することが可能です。こちらもサービスによって異なりますが、動画の表示回数や再生数といった基本的な数値から、秒単位で離脱地点が計測できるといった機能が備わっているサービスもあります。視聴者の離脱地点の要素が把握できれば、次の動画を制作する際に離脱ポイントの要素を排除したコンテンツ作りに役立つでしょう。

配信サービスを活用して、本来の目的を達成しましょう

配信サービスの活用シーン
動画を作る目的は、配信することではなく、冒頭記述の通り企業が社員に伝えたいメッセージを、より豊かな表現で「伝える」ことでしょう。しかし、視聴という行為自体にストレスがかかる環境であれば、本末転倒。せっかく作った動画のメッセージを伝えることはできません。
このような課題を抱える企業の担当者の方は、一度動画配信サービスのベンダーに相談し、最適な配信CMSを検討することをおすすめします。

動画配信プラットフォーム

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