オウンドメディアでの動画活用で期待できること
まず第一に、動画であるからといって特別な利用目的、評価指標を持つわけではありません。動画は「テキスト」や「写真」に並ぶ、一つのフォーマットに過ぎません。もちろん「動画クリエイティブ」の評価には動画独自の指標もありますが、「動画マーケティング」という観点では、現在扱っているWebマーケティングの評価指標と変わりません。
ECサイトであれば、商品の説明動画を設置したことで、商品の購入率が変わるのか。BtoB向けのサービスであれば、問い合わせや資料請求に繋がるのか。
もちろん、こういった成果に繋がるかどうかは、クリエイティブにも大きく依存します。そのため、設定したCV (コンバージョン) に寄与しないからといって、直ちに動画そのものが役に立たないという判断はできません。
まずは「動画マーケティング」の評価方法も、他のフォーマットと変わらないということを理解しましょう。
以上を踏まえ、動画マーケティングに取り組む際は、テキストや静止画フォーマットよりも、コンテンツ制作の時間もコストもかかる点を考慮した上で、明確な数値目標をもって取り組むことを勧めます。
どのような「判断軸」で動画を制作すべきか
まずは、動画である必要性を言語化してみましょう。
動画化したい対象・要素がテキストや写真では伝えにくく、表現しきれないという理由が明確であれば、動画という手段を検討するべきです。
よくある失敗例としては、セミナーで講師や社員が話している映像をただ垂れ流しているtoB向けの動画があります。これでは、そもそも再生されることすら少ないでしょう。
求めることは、ユーザーが動画を視聴したことで態度変容を起こすことです。クリエイティブが優れていることで視聴時間が伸びれば、その長さと比例して興味・関心の高まりが期待できるでしょう。そのためには、まずは以下の条件をクリアしているかを確認しましょう。
動画化したい対象・要素がテキストや写真では伝えにくく、表現しきれないという理由が明確であれば、動画という手段を検討するべきです。
よくある失敗例としては、セミナーで講師や社員が話している映像をただ垂れ流しているtoB向けの動画があります。これでは、そもそも再生されることすら少ないでしょう。
求めることは、ユーザーが動画を視聴したことで態度変容を起こすことです。クリエイティブが優れていることで視聴時間が伸びれば、その長さと比例して興味・関心の高まりが期待できるでしょう。そのためには、まずは以下の条件をクリアしているかを確認しましょう。
- [再生前] 再生ボタンを押したくなるか 動画の前後の文脈が、ユーザーが動画で詳細を知りたいと思うような要素になっているか。
【指標: 再生率 (動画表示回数÷動画再生数) 】 - [再生後] 視聴して良かったと思えるか
内容が単調ではなく抑揚があるか。テキストや写真では表現しきれない情報か。
【指標: 試聴維持率、完視聴率】
言葉にすると単純ですが、制作の際にこれらの条件が熟慮されていれば、ユーザーの興味関心を惹く動画になる可能性が高いでしょう。
お金と時間をかけた高品質な動画だけが、効果的な動画というわけではありません。「よくわからないけど、なんかすごい」よりも「なぜこの商品 (サービス) が必要かわかった」という感触をユーザーに与えられるのが、良い動画でしょう。そのためには、必ずしも高い制作費用や制作会社が必須なわけではありません。最近ではスマートフォンでも高画質な動画が簡単に撮れます。編集ソフトも充実しているので、動画編集のハードルもそこまで高くありません。制作のサイクルを大幅に短くすることも可能です。コストをかける前に、前述の2点の条件をしっかり吟味することが、動画活用の最初の一歩といえます。
動画の効果を正確に測定するには
再生率や再生数、視聴維持率は、動画のクリエイティブを評価するには有効です。しかし、マーケティング活動にどの程度貢献したかの指標にはなりえません。では、どの指標を、どのような方法で測定すれば良いのでしょうか?残念ながら、現時点では簡単に効果測定できる方法はありません。多少手間はかかりますが、動画の効果を正確に評価する方法は2つあります。
Web Analytics との連携
動画の定量的な効果測定をしたい時は、Google AnalyticsなどのWeb Analyticsに動画の視聴データを紐付けます。無料で配布されている動画プレーヤーを含む動画配信サービスでは、再生ボタンのクリックや、動画のどの地点を通過したかがわかる「イベント」などのデータを取得できるようになっています。それらデータを、利用しているWeb Analyticsで受け入れる設定をすればOK。プレーヤーから受け取ったデータと、Web Analyticsのデータを引き合わせれば、設定したCVに対して、動画視聴ユーザーの行動を計測できるようになります。
データを送信する形式はプレーヤーごとに異なります。お使いのプレーヤーがどの形式かは、Web制作会社や動画配信サービスベンダーに相談してみてください。ブライトコーブ社のように、管理画面から連携設定ができるサービスを提供している会社もあります。詳しくは こちらの記事 をご覧ください。
Marketing Automation (マーケティングオートメーション) との連携
もうひとつは、マーケティングオートメーションでのスコアリングを活用する方法です。主にtoB向けのビジネスにおいて、ユーザーの視聴データを、リードナーチャリングの指標として活用している企業もあります。
ここでは、マーケティング・営業の担当者が見込み客に対して、次にどのようなアプローチを行うべきか判断するための材料として活用します。メールの開封や、どのWebページを閲覧しているかといった従来の評価指標にプラスオンできるので、判断の精度をより上げることができます。
動画は、視聴時間がそのまま興味関心レベルに読みかえることができます。視聴有無、視聴時間に応じて、視聴開始後一定時間ごとにスコアをつければ、ユーザーの温度感が測りやすくなるでしょう。
まとめ
オウンドメディアで動画を配信するハードルは非常に下がっていますが、正確に効果測定をしようとすると、システムを準備する手間と、コストと時間がかかってしまうのが現状です。しかし動画を適切に活用できれば、オウンドメディアにおけるマーケティング活動への貢献が期待できます。今では、クラウドサービスで効果測定をより容易に実現できるようになってきました。興味のある方は一度、動画配信プラットフォームを提供するベンダーに相談してみてはいかがでしょうか。