「嫌われたらどうしよう..……」 「みんな心の中で私のことをどう思ってるんだろう...」などと、悩みを抱える人は少なくありません。このように、他人の自分に対する評価を気にしすぎてしまうことを、心理学では「スポットライト効果」と呼びます。

要するに自意識過剰? スポットライト効果とは

スポットライト効果とは自意識過剰?
スポットライト効果は2000年、コーネル大学の心理学者トム・ギロビッチが行ったバリー・マニロウ(Barry Manilow)実験の結果として報告されました。
実験では大学生を対象に、「被験者」と「観察者」に分け、被験者グループにダサいイラスト (1980年代アメリカで一世風靡した歌手バリー・マニロウの似顔絵)がプリントされたTシャツを着せ、観察者グループがいる部屋に入れました。
その後、被験者を退出させ、被験者自身が着ていたTシャツのイラストについて、観察者がどの程度覚えているかを被験者に予想させた。その結果、被験者グループの予想は、実際の観察者グループよりも多かった。つまり、周囲が自分のことについて覚えている割合を過大評価していたということです。
さらに、参加者同士でグループディスカッションを行った後に、「自分の発言が他のメンバーにとってどれだけ影響を与えたと思うか」を答えてもらった。結果は前述の調査と同様に、他者に与えている実際の影響よりも、自分自身は大げさに評価していることが明らかになりました。
この研究から言えるのは、自分が思っているほど周りはあなたに注目していないということです。
ここまで読んで、自分を振り返って少し恥ずかしくなった人もいるでしょう。しかしこれは全く恥じることではありません。
むしろビジネスに置き換えて考えると、仕事に対し失敗をしたくないという気持ちがあればこそ、周到に準備をする人と捉えられます。また、社会人になれば、報酬や立場は周囲からの評価で左右される部分が大きいし、周囲の目を気にしない訳にもいきません。 ただ、この心理現象を知ったあなたに、もうワンステップ進んだコミュニケーションを提案したいのです。

みんな注目されたい。人を褒める言葉は意識的に伝えよう

スポットライト効果を理解して人を褒める言葉は意識的に伝えよう
ここまで読み進めてきたあなたに知って欲しいのは、私たちはつい、同僚や友人が自分のことをどう思っているか気になってしまいますが、周囲の人たちも同じような気持ちを少なからず抱いているということ。
そして、往々にして、褒められるのを嫌がる人はいません。例えば、あなたが毎日会社で人知れずゴミ捨てをしていたとします。人に褒められたいという動機ではないにしても、誰かに「いつもありがとう!助かります」など感謝の気持ちを伝えられたら、悪い気はしないですよね?
スポットライト効果を理解して感謝を伝えれる人に
相手への感謝の言葉は、上司、後輩、同僚などの階層を問わずコミュニケーションを良好にする潤滑油となります。

感謝の言葉には「相手を認める」効果がある

感謝の言葉には「相手を認める」効果がある
職場で感謝の気持ちを伝えられると、どんな気持ちになりますか?
感謝の言葉は「その人の行い、その人自身を肯定する」ものです。会社勤めであれば、業務に関することで上司に褒められればもちろん嬉しいでしょう。でも、もっと些細なこと、例えばコピー用紙の補充とか、地味な作業に対して「ありがとう」と言われるのも、同じように気持ち良いですよね。
「褒めることが従業員のモチベーション向上に効果を与えるか」について、過去にアンケート調査が実施されたことがあります。20〜59歳の一般社員 (男女)419人のうち、8割が「褒められるとやる気が高まる」と回答。職場において感謝や褒める言葉を意識的に伝えることは、良好な人間関係の構築だけでなく、業務のモチベーションアップにも繋がるということです。
褒めるのに、特別なスキルは必要ありませんよ!早速、身近な人の「良い行い」を見つけて始めてみましょう。