ラダー効果を応用してモチベーションをアップさせるには
仕事で大きな成果を上げるには、目の前の業務をこなすだけでは満足とは言えません。自分の仕事に対して、単に「物を売る仕事」と捉えている営業と、「自社のサービスを通じて社会貢献する仕事」と考えている社員では、成果に大きな差が生まれるでしょう。
この記事では、仕事に対する動機付けを行い、社員のモチベーションを高めるのに応用できる「ラダー効果」について説明します。
職場の環境改善、テコ入れすべきは「モチベーションのアップ」
ラダー効果をわかりやすく例えたのが、レンガ職人の話です。
あるところに3人のレンガ職人がいました。
彼らは、町に教会を建てるという同じ仕事をしていましたが、仕事への想いは三者三様です。1人は「レンガを積むだけ」、もう1人は「妻や子供を養う生活のため」と言いますが、ある職人は「街の人たちの拠り所になる、何百年も後世に残す仕事」と言いました。
目の前の仕事=レンガ として、これを私たちの生活に置き換えるとどうでしょうか。
生活のためと割り切って、ただ黙々とタスクをこなすよりも、せっかくなら自分の仕事にプライドを持つような解釈をした方がモチベーションになりますよね。
モチベーションは仕事の要です。やりがいを感じずにただ業務をこなすだけでは当然やる気は起きません。モチベーションが低いまま仕事をしても、ミスにつながり、社内や取引先に迷惑をかけることもあるでしょう。そういった毎日が続くことで、会社に行きたくないという気持ちに陥るかもしれません。うつ病になり休職せざるおえなくなるかもしれません。しかし、意識を変えることで、モチベーションを高く維持し、目標に向かって生き生きと仕事をこなせるようになるのではないでしょうか。
ラダー効果でモチベーションアップへ!
営業職であれば営業成績が上がり、評価が上がり、収入が上がることが期待できます。そうすることで、やる気もさらに高まります。こうした社員が増えることで会社に活気が生まれるでしょう。職場の環境改善のためにはモチベーションのアップこそが重要だとわかるはずです。
ラダーとは日本語で「はしご」のこと。ラダー効果とは、はしごのように段階を踏んで意識改革を行い、モチベーションを高めていく手法です。
- 行動レベルの仕事意識
- 目的レベルの仕事意識
- 意味を持った仕事意識
例えば営業職の場合、モチベーションの低い社員は営業を「単に物を売る仕事(行動レベル)」と捉えている場合が多いです。この捉え方を
- 「単に物を売る仕事 (行動レベル)」
- 「売り上げに貢献する (目的レベル)」
- 「給料を上げるために営業する (目的レベル)」
- 「お客様の課題を解決する (意味レベル)」
というように段階的にあげていき、最終的には仕事に意味を持たせて捉えることでモチベーションを高めていきます。
例えば枕を売っている会社なら、「睡眠を通じて健康を売る」「世の中に快適と安らぎを届ける」というのが意味レベルです。仕事を行動レベルから目的レベルへ、そして意味のある仕事につなげていく手法がラダー効果です。
「このまま一生、砂糖水を売りつづけるのか、それとも世界を変えるチャンスをつかみたいか。」
これは、かの有名なAppleの元CEOのジョン・スカリー氏を、前職のペプシコーラから引き抜く際にスティーブ・ジョブズ氏が言った言葉です。感銘を受けたスカリー氏は、申し出を受け入れてAppleのCEOに就任しました。ラダー効果を応用した最たる例とも言えます。
部下や従業員にモチベーションを高めてほしいときには、段階的に仕事の目的や意味を説明しましょう。仕事を単なる行動と捉えている社員には目的を説明し、すでに目的レベルで仕事を捉えている社員には、もう少しはしごを登らせ仕事に意味を持たせてあげると良いでしょう。
ラダー効果を用いる際の注意点
ラダー効果は、取り入れ方を間違えると社員から反発を買う恐れもあります。
例えば、「自社の枕を使うことで不眠症の人が快眠できるようになり健康を保てる。大きな意味のある仕事なんだよ」と社員に説明したところで「うちの枕そんなに快眠効果あったかな?」と思われては意味がありません。意味付けには裏付けも必要です。数字で快眠効果を示したり、利用者の口コミや感謝の声などを社員にしっかり提示しましょう。
また、「そんな曖昧な意味や壮大な話より給料をあげてくれ!」と感じる社員もいるでしょう。こういった社員には、「枕が売れれば会社の利益が増え、給料がアップする」というように社員の目的につながるように意味付けしていきます。相手にとって納得感のあるストーリーで行動から目的レベルへモチベーションを高めつつ、最終的には意味レベルで意識変革が起こるようにラダー効果を用いてください。
まとめ
モチベーションを高めるためにはラダー効果が使えます。 (ただし、状況によっては社員の反感を買いかねないので、使い方には要注意)
- 行動レベルの仕事意識
- 目的レベルの仕事意識
- 意味を持った仕事意識
3段階の意識レベル改革によってモチベーションを上げていきましょう。従業員に仕事の目的と仕事の裏にある意味をしっかりと説明し、段階を踏んで意識改革を行ってください。