クラウド画面録画ツールの loom (ルーム) とは
loom は、画面録画をする際に毎回 PC で音声入力の設定をすることなく、シンプルな手順で録画ができるクラウドサービスです。録画できるのは画面だけではなく、Webカメラの映像をワイプとして同時に録画することができます。これにより、画面だけでなく話し手の表情も動画に含めることができることが特徴です。
また loom の特徴は、録画が簡単にできるだけではありません。録画した動画キャプチャーを容易に共有することができるようになっています。従来のインストール型のソフトでは、録画した動画は一度 PC にダウンロードして、ファイルサーバーにあげなおしたり、クラウドストレージサービスにアップロードして共有する必要がありました。動画キャプチャーの送り手も受け手も手間が多い方法です。しかし loom では、録画が完了すると即座に URL が発行され、送り手はファイルをダウンロードすることなく、その URL を共有するだけで動画の受け渡しを完了することができます。
その URL には、パスワードをかけることができたり、トリミング (動画のカット) 、Call-to-Action と呼ばれる、動画の上にリンクを設定することができます。また視聴者は動画の秒数を指定してコメントを残すことができ、録画した動画キャプチャーを起点にして、コミュニケーションをとることができます。詳しくは、こちらの記事 もご覧ください。
loom のアカウント取得
loom の Webサイト にアクセスします。①と②どちらでも構いませんのでクリックしてください。
loom ではアカウントの取得方法が2つ用意されています。①の Google か Slack のアカウントの認証情報を利用する方法。②のメールアドレスでアカウントを取得する方法です。
今回は②のメールアドレスでアカウントを取得します。②の Email の欄にメールアドレスの入力ができたら「Create Free Accout」と書かれた青いボタンをクリックしてください。なお Loom の無料アカウントの作成にあたり、クレジットカード情報の入力はありませんので、安心してください。
次に①に氏名とパスワードを入力します。Email は前のページで入力したメールアドレスが表示されています。「First Name」に名前を、「Last Name」に苗字を入力してください。英語と日本語どちらでも構いません。
「Password」にパスワードを入力したら、確認用に「Confirm Password」にも同じパスワードを入力してください。その下にある Loom の利用規約のチェックボックスにチェックをすると、②の「Continue」が青色に変わり、クリックできるようになります。これでアカウントの作成は完了です。
loom 利用方法の選択
loom を利用するための方法を決めます。loom で画面動画キャプチャーを収録する際は、①の Google Chrome の拡張機能を追加するか、②のデスクトップアプリをインストールするかのどちらかが必要です。①をクリックすると、新しいタブで chrome ウェブストア が開きます。右上の Chrome に追加ボタンをクリックしてください。②をクリックすると、自動的にアプリケーションがダウンロードされます。
どちらも無料で利用できるので、利用しやすい方を選択してください。勿論両方を利用することも可能です。またこの時点ではスキップして、後から決めることもできます。その場合は選択肢の下にある「I’ll choose later」の青文字をクリックしてください。
なおこの画面は、法人アドレスで登録した時に表示されますが、Gmail などのフリーアドレスで登録した場合は、用途を尋ねる質問が表示されるようになっています。
通知設定
loom の管理画面に進むとまず最初にこの画面が表示され、①の通知の許可ボタンが表示されます。「Enable」か「Not now」のどちらかを選択しますが、「Enable」を選択すると、共有した動画キャプチャーに視聴、もしくはコメントがついた際にプッシュ通知が送られるようになります。通知が不要な場合は、「Not now」をクリックしてください。この設定は、後からでも変更可能です。
メールアドレス認証
最後に、登録したメールアドレスを認証する必要があります。メールボックスに、loom からメールが届いています。①をクリックするか、クリックできない場合は、②の URL をコピーして、ブラウザに貼り付けてアクセスしてください。loom のログイン後のマイページに入ります。
マイページの画面です。この段階で画面録画を開始できますが、基本情報の編集ページをご紹介しておきます。画面右上のアイコンボタンをクリックすると、メニューが表示されます。①の Account Settings をクリックしてください。表示されるアイコン、氏名、メールアドレスを変更できます。
氏名とメールアドレスは登録時に入力した情報が表示されています。①をクリックすると、アイコン画像をアップロードできます。画面録画した動画を共有する際に、氏名とアイコンが表示されますので、できれば設定しておいたほうが良いでしょう。
loom のアカウントの取得から、基本設定は以上です。
loom の使い方 (Google Chrome)
動画キャプチャーの収録方法
画面右上にある「New Video」をクリックしてください。初めての利用の場合、マイクとカメラへのアクセスの許可のメニューが表示されます。スキップもできますが、できるだけこの時点で「One-Click Access」をクリックしてください。
クリックすると、画面左上にアクセス許可が表示されます。loom では動画キャプチャーに、ワイプで自分の顔を表示させたり、音声をいれることができます。そのためこの設定をオンにしておいた方が、後からの設定が必要なくなり、loom を利用するベネフィットを簡単に享受することができます。
画面収録を行うための設定画面です。①で収録する範囲を決定します。②で (ワイプを利用する場合の) ワイプの大きさと場所を調整します。①の設定内容は、下で補足します。
上述の①の設定です。「Record」から画面収録の方法を選択します。
- Screen+Cam: 画面収録とワイプの映像
- Screen Only: 画面収録のみ
- Cam Only: カメラの映像のみ
Screen Only の場合、管理画面で設定したプロフィール画像を、ワイプの部分に固定で表示させることができます。Microphone はマイクです。音声の入力先を選びます。標準では、PC に内臓されているマイクが選択されています。今回はワイプにプロフィール画像の固定表示、内臓マイクの設定で進めます。
設定画面下の「Start Recording」、もしくはワイプ横の再生ボタンをクリックすると、開始3秒前のカウントダウンがはじまります。
一度 Google Chrome の拡張機能をいれてしまえば、毎回 loom の Webサイトにアクセスしなくても、画面右上のアイコンからすぐに収録を開始することができます。
収録中の画面です。通常のブラウザの操作と何も変わりません。①がコントロールボタンです。 それぞれのボタンの役割を左から紹介します。
- 「・・・」メニューを隠す
- 「×」画面収録の中止
- 「||」一時停止
- 「✔︎」終了
画面真ん中下の青いボタン「共有を停止」をクリックしても、収録を終了することができます。終了ボタンをクリックすると、Chrome で新しいタブが自動的に開き、収録した動画を確認することができます。
収録した動画キャプチャーの設定・共有方法
loom で収録後に発行される動画キャプチャーの視聴画面です。まず主な機能のご紹介します。
- ①動画視聴プレーヤ:動画は5秒単位で早送り巻き戻しできる他、倍速再生が備わっています。
- ②動画視聴権限設定: 共有用のURLをコピーできます。非公開で共有する場合の、パスワードも発行することができます。
- ③動画設定・編集: 視聴者のコメント、絵文字の付与などの許可設定や、動画のトリミング、プレーヤ上に配置できるリンクの設定を行えます。
- ④動画共有: 収録した動画素材のダウンロード、複製、削除、共有方法を選択することができます。
動画視聴プレーヤー
動画試聴プレーヤーの機能をご紹介します。
- ①動画再生に関わる操作ボタンです。左から「再生ボタン (再生中は一時停止ボタン)」「5秒巻き戻し」「5秒先送り」「音量調整」です。
- ②スタンプ。再生中に任意のスタンプをクリックすると、該当の秒数にスタンプを付与できます。マウスを置くと、誰がそのスタンプを押したか名前がわかるように名前が表示されます。
- ③動画試聴プレーヤーの調整ボタン。左から「倍速再生 (動画の再生速度調整)」「シアターボタン (横幅が広がり背景が黒に)」「ピクチャーインピクチャー (プレーヤーが右下に小さく固定表示。スクロールに追従)」「全画面ボタン」です。
※プレーヤの領域を明確にするため、黒枠をつけております。
動画共有
「Copy Link」をクリックすると、動画視聴用のページの URL がコピーされた状態になります。メールやビジネスチャットツールなどに貼り付けて共有してください。
「Link Sharing」をクリックすると、動画の共有範囲を指定することができます。「Link Sharing」の場合は、URL を知っている人しか視聴できません。「Public」を選ぶと、Google の検索エンジンの表示対象になります。多くの人に視聴されたい場合には、「Public」を選んでください。
「Add Password」で、URL にアクセスする際にパスワードの入力を必須にできます。「Enter new password」で任意のパスワードを入力いただき、「Confirm password」で確認用に再度パスワードを入力してください。完了したら「Save」で設定完了です。設定後は「Add Password」が「Edit Password」に変わり、後から変更することも可能です。
パスワードが設定された URL に他のユーザーがアクセスすると、パスワードの入力画面が表示されます。
動画設定・編集
収録した動画 URL に関する設定や、動画の編集を行います。
- ①「Settings」コメント欄の設置、動画のダウンロード可否などの設定ができます。
- ②「Trim」トリミング機能。動画の前後をカットすることができます。
- ③「Call-to-action」プレーヤーの上にリンクを設置する機能
- ④「Custom Thumbnail」任意のサムネイルを設定する機能
Settings
設定可能な項目を、上から順番に紹介します。
- Comments: 動画へのコメント欄設置の設定
- Comment email notifications: コメント欄にコメントが投稿された際に、登録しているメールアドレスにメールでの通知設定
- Emoji Reactions: 動画に絵文字の付与を許可設定
- Animated Thumbnail (gif): サムネイルを GIF にする設定
- Loom Branded Player: 動画再生終了後、loom への招待を促す表示の有無設定
※Pro プランから利用可能
- Viewer can download: 視聴者が動画素材をダウンロード可否の設定
- Show analytics to viewer: 動画の再生数を視聴者に表示 / 非表示設定
Trim
トリミングの使い方を説明します。「Trim」をクリックするとトリミング用の画面に切り替わります。動画プレーヤー内左下に、「Start Trimming」ボタンがあるので、クリックしてください。
①でシークバーを動かすか、②で時間を指定してトリミングする箇所を決定します。ポイントは、指定した場所がトリミングされることです。トリミングする場所の指定が完了したら、③の「Remove」をクリックしてください。②の表示が「Publish Changes」をクリックすると変換処理が開始します。もしトリミング箇所に失敗した場合は、④で「Revert to Original」をクリックすると、トリミング前の元の動画に戻すことができます。
Call-to-Action
Call-to-Action は動画プレーヤーの上に設置できるボタンリンクです。上から順に「(ボタンに表示する) テキスト」「リンク先URL」「ボタンのカラー」「テキストのカラー」「ボタンの形」を決定します。
設定したリンクは、動画プレーヤーの右上に固定表示されます。クリックすると、設定した URL に遷移します。
Custom Thumbnail
オリジナルのサムネイルを設定する機能です。標準では、動画の一部分がサムネイルとして利用されていますが、ここから設定することにより任意の画像 (GIF) に設定することができます。「Upload a thumbnail」の下の箇所にドラッグアンドドロップで画像をもってくるか、「Browse」ボタンを押して PC 内のファイル一覧から選択することができます。
共有設定
4つのボタンは左から、「ダウンロード」「複製」「削除」「共有」です。「Move to Folder」をクリックすると、loom 内に作成済のフォルダ一覧から、どのフォルダに格納するか選べるようになっています。
「共有」のみ補足説明します。「Link」はそのまま 該当ページの URL コピーができます。「Twitter」「Facebook」「Gmail」をクリックすると、新しいタブが開き、選択したアプリケーションが開きます。「Linked GIF」「Embed」を選択すると、HTML に埋め込み用のコードが発行されます。
視聴者・リアクションの確認
最後に URL 共有前の設定でコメントやメール、通知設定をしている場合の表示をご紹介します。
URL 内の表示
①が視聴者情報です。視聴者が loom のアカウントを保有している場合は、誰が視聴したかを一目で確認できるようになっています。視聴者がアカウントを持っていない場合には「Anonymous」と表示されています。
②は視聴者数です。「total」は合計の再生回数、「unique」は視聴者数です。1人の人が10回試聴すると、10 total の、1 unique になります。
③がコメントです。視聴者からの質問に対し、スレッド形式で返信することができます。返信だけでなく、コメントの削除もできます。視聴者がアカウントを持っていない場合、コメント入力時に任意の名前の入力が求められます。またコメント時に、動画内の秒数を指定してコメントできることができるようになっています。
メール通知
メール通知を設定している場合には、コメントがあるとこのようなメールが loom から届きます。内容はメール内でも確認できるようになっています。
拡張機能への通知
またブラウザの拡張機能に通知設定をすると、loom のアイコンに通知数が表示されます。アイコンをクリックすると loom の拡張機能が開き、通知の内容を確認することができます。
loom は画面キャプチャーを介したコミュニケーションツール
loom は、簡単に動画収録ができるだけでなく、収録した動画を起点にコミュニケーションを創出することができるツールです。この記事では Chrome の拡張機能を利用した方法を紹介しましたが、インストール版を利用すれば、ブラウザだけでなく、ローカルに保存された資料の説明などにも利用することができます。テキストや静止画キャプチャーで伝わりづらいこと、わざわざ電話や Web 会議を開くほどではないことも、この loom を活用することで解決することができるかもしれません。無料でも25本の動画まで収録可能ですので、是非一度お試しください。